「データベース」を使いこなす

Power Automate Desktop
「データベース」を使いこなす

Power Automate Desktopではデータベースに接続し、SQLのクエリを送信することができます。SQLとはデータベースを操作するための言語です。「データベース」に関するアクションは、「SQL接続を開く」「SQLステートメントの実行」「SQL接続を閉じる」の3つがあります。ほぼ全ての場合において、この3アクションはセットで使われ、何かひとつだけ利用するということはないと考えられるので、このページではひとつの事例を通してその使い方を個々で確認していきましょう。

(なお、2022/7/11執筆しており、今後、利用できるオプションが増える可能性があります。またSQLの文法的な解説はここではしておりません。)

1. SQLを接続する

今回用意した事例は下図です。データベースに接続して、SQLを実行し、閉じる。そのまままですね。

データベース事例フロー

まず、「SQL接続を開く」アクションを追加してください。以下のような設定画面が開くはずです。開いたら、入力ボックスの右側にある、箱のようなものをクリックしてください。

データベース設定画面

クリックすると、更にデータリンクプロパティと言って接続のための詳細な設定画面が出てきます。画面上部に「プロバイダー」「接続」「詳細設定」「すべて」という4つのタブがありますが、変更を加えていくのは「プロバイダー」と「接続」です。

デフォルトでプロバイダーのタブが開かれていると思いますが、今回は「Microsoft OLE DB Driver for SQL Server」を選択します。色々選択肢がありますが、サーバによって使い分けられています。筆者はSQL Server 2017を使っているので、上述のドライバーを採用しています。もし、それ以前の製品なら「Native Client」、2005より前であれば「Microsoft OLE DB Provider for SQL Server」を選ぶのが良いみたいです。詳しくは下記リンクを参照ください。お使いのサーバーの製品名を確認するにはSQL Management Studioで「SELECT @@VERSION」で確認できるので、確認されてみてください。

データベースプロバイダー設定画面 データベースバージョン確認

プロバイダーの選択が終わったら「次へ」を押すか、接続タブをクリックすることで次の設定ができるようになります。接続したいサーバ名を入力し、認証方法の選択とそれに応じたユーザー名やパスワードを入力しましょう。今回、SQL Server認証を選択していますが、デフォルトだとパスワードの入力ができない状態になっているので、必要に応じてパスワードを空白にするのチェックを外し、パスワードを保存するのチェックを付けてあげましょう。

データベースリンク設定画面

先に接続テストをすることもでき、うまく接続できていると、以下のメッセージが表示されます。後は保存して閉じればSQL接続は完了となります。

テスト確認画面

2. SQLを実行する、接続を閉じる

次に「SLQステートメントの実行」アクションを追加しましょう。このアクションは具体的に送信するSQLを決めることができます。設定画面で接続の取得方法をSQL接続変数にすると、その前に「接続を開く」アクションで生成される変数を使うことができます。また、ここに接続の取得方法を接続文字列にするとこで、直接、接続させることも可能です。SQLステートメントで、実際に送信したいSQL文を記述してください。タイムアウトでは待ち時間を過ぎたらRPAの実行を終了させることができます。

SQL設定画面

最後にSQL接続を閉じたら終了です。SQLは接続したら必ず閉じるようにしてください。データベースの設定の多くはプログラムの終了と同時に接続も自動で切れるようになっていますが、例えば24時間プログラムを起動し続ける場合などプログラムを実行する度に接続数が増えていくことになります。接続できる数には限りがあるので、本当に接続したい場合に接続できなくなってしまったり、処理が重くなり動かなくなってしまう可能性もあります。データベースに接続した場合は必ず切断する、これはセットで癖をつけておくようにしましょう。

実際に実行すると、下図のようにデータベースからデータテーブル型の値が取れてきています。「データベース」アクションを活用することで、Power Automate Desktop単体では扱いきれなかった沢山のデータを扱えるようになります。上図に活用してできることの幅を広げていきましょう。

実行結果取得
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執筆者プロフィール

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伊藤 丈裕

(株)サムテックのシステムエンジニア。応用情報技術者資格保有。
27歳の時、営業から完全未経験で転職。開発とWebマーケティングを担当。得意言語はJavaとJavaScript。

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